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税金の杜 税務実務のワンポイントコラム

税務に関する旬のトピックスや、注意すべき項目などについて、わかりやすく解説いたします。

低額譲渡と所得税、法人税

img2012年1月25日 掲載
土地や株式を譲渡する場合、それが親子などの親族間や同族会社とそのオーナー経営者の間で行われる場合には、通常の取引価格よりも低い価格で売買されるケースがある。このため、税法ではこうした低額譲渡について規制を行っているが、よく知られているのが所得税のみなし譲渡の規定である。

この規定では、個人が著しく低い価額で法人に対して譲渡所得の起因となる資産を譲渡した場合には、「そのときにおける価額」つまり時価によって譲渡があったものとみなして所得税を課税することが規定されている。そして、この場合の著しく低い価額とは、その資産の時価の2分の1未満の金額とされている。つまり、この規定が適用されるのは、売主が個人、買主が法人の場合で、譲渡対価が時価の2分の1未満の場合に限られるということだ。「時価」をどう見るかについては、土地であれば相続税評価額が公示地価の8割程度とされているところから、相続税評価額を0.8で割って求めた金額としても問題はない。非上場株式であれば、通達で、財産評価基本通達に準じて土地等を時価に置きなおし、法人税等相当額を控除しないで計算するなどの時価の算定方法が明らかにされている。一方の低額で買い取った法人は、時価との差額が受贈益となり、取得した資産の時価が取得価額(帳簿価額)となる。

これに対して、法人が個人に対して低額で資産を譲渡した場合には、譲渡した法人は時価と譲渡対価との差額が寄附金となり、譲渡を受けた個人は差額が一時所得となる。低額譲渡を受けた個人がその法人の従業員であれば給与所得となるが、その法人の役員である場合には、低額譲渡を受けた役員は給与となるものの、低額譲渡をした法人は時価との差額が損金不算入の役員給与とされる。

法人と法人の間の低額譲渡は、低額で譲渡した側は、時価との差額が寄附金、譲渡を受けた側は差額が受贈益とされる。ただし、双方の法人の間に資本関係や取引関係がない全くの第三者間の取引であれば、譲渡対価が恣意的に低く設定されることはないため、こうした問題が生じることはないといえる。

imgまた、個人間の低額譲渡の場合には、譲渡対価が時価の2分の1未満であっても所得税のみなし譲渡課税が行われないが、譲渡損失が生じた場合には、損失はないものとされ、その資産の取得費は低額譲渡を受けた個人に引き継がれる。つまり、低額譲渡を受けた個人がその資産を譲渡した場合に、まとめてキャピタルゲイン分が課税されることになるわけである。
さらに、個人間にはみなし譲渡の適用はないが、親族間や特殊関係者間の譲渡の場合には、時価の2分の1以上の譲渡対価であっても、その金額が譲渡する資産の相続税評価額を下回っていれば、譲渡対価と相続税評価額との差額は、贈与されたものとして、贈与税の課税対象となる。

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